東京家政学院大学 Tokyo Kasei Gakuin University

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【学長メッセージ】学部と大学院、最終学年のみなさんへ

2015/11/24

映画『天才スピヴェット』(2013年)の中にこんなセリフがあります。

「水滴がすばらしいのは、もっとも抵抗の少ない経路をたどること。人間はまったくもってその逆だ…」

 

およそ半世紀近く昔の大学生だった頃。思い返すと、もっとも抵抗の大きい経路をたどっていたような自分が見えてきます。

11月の今頃、文学部の学生だった私は必修8単位の卒業論文を前に途方に暮れていました。間近に迫る締切り、二日間で6時間だけと睡眠を決めても進まない論文執筆。まして、考えるほどに内容が拡散し、一向に定まらない論点。

「君の論文は文学部に相応しくない」と教員の指導にも恵まれず、ただひたすら400字詰原稿用紙を文字で埋めては破り捨てる毎日。ワープロはまだ無い時代でした。

もっと早く準備しておけば、もっと論点を絞っておけば、もっと文学部らしいテーマを選んでおけば、などなど自分の前に立ちはだかる壁が日々厚さを増す11月でした。

それでも、大方の予想を裏切り、私は4年間で大学を卒業しました。

もちろん、「無事に」という枕詞は付きません。「ともかく」と言った方が正確だったように思います。

天才児T.S.スピヴェットと違い、凡人の私にあるのは「くじけない」だけでした。論文を書き上げ、学部教員を見返したいという「意地」もありました。ともかく、卒業のために壊さなければならない障壁を、毎日、毎日ノミで穿つような日々が続きました。

 

みなさんの多くは、卒業論文・卒業作品、修士論文の完成を間近にして、私のような焦りとは無縁だと思います。

もしみなさんの中に、重圧感や焦りを感じている学生、院生がいたとすれば、「くじけない」気持ちが現状を打開する、と私は伝えます。

もうひとつ言えるのは、周りにはあなたを理解する人が必ずいるということです。「現状を打開する」ために、理解者の力も借り、立ち止まらず一歩前に進んで下さい。

 

「もっとも抵抗の大きい経路」に堪える「くじけない」気持ちを持って下さい。水滴とは違い、「抵抗」はあなたを「大きく」する、与えられた機会に他なりません。

論文・作品を仕上げることに必死となって下さい。 今からでも遅くはありません。

平成27年 小雪

東京家政学院大学

学長 廣江 彰

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