新成人となるみなさん、ご家族、関係者のみなさん、おめでとうございます。
みなさんを本学にお迎えした一昨年の4月3日、入学式告示で私は次のようにお伝えしました。
「みなさんを待つこれからの時代、社会変動という『荒波』の到来が予見されている」
その頃はもちろん、現在私たちを襲っている「新型コロナウイルス感染症」という「荒波」は視野にも入っていませんでした。感染症の急拡大によって、みなさんにとって大切な、思い出に残る成人式という節目を、残念なことに、晴れやかには迎えられない事態となっています。
しかし、式典があろうとなかろうと、みなさんがこの年成人となり、ご家族や関係者のみなさんが、社会が、祝うということに変わりはありません。
1月11日「成人の日」、法律には「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」(「国民の祝日に関する法律」第2条)とあります。
「おとなの自覚」とは何か?それはみなさんが本学で学びながら創り上げていくもの、と私は思っています。大切なことは「みずから生き抜こうとする」こと、つまりみなさんがご家族や関係者の「庇護」を離れ、ひとりの人間として社会と向き合うこと、みなさんを襲う「荒波」をみなさん自身の力で乗り越えて行くこと、そのために「力」を蓄え続けることに他なりません。
目下私たちを襲っている新型コロナウイルス感染症に、みなさんが「おとなの自覚」を持って冷静に立ち向かい、克服することで「みずから生き抜く」力を示していただけると私は信じています。
これまで、本学学生のみなさんには繰り返し「感染しない、感染させない」を求めてきました。「成人の日」を前に、みなさんに重ねて、また声を大にしてお伝えします。
「成人の日」という大切な時を穏やかに迎え、おとなとなる第一歩を
東京家政学院大学の学生らしい徳(Virtue)をもって誇り高く過ごして下さい。
みなさんが本学で学び、自らの力で、また多くの人々との協働によって楽しく、幸せな暮らしを創り上げていくために、みなさんが新型コロナウイルス感染症という「荒波」に冷静に立ち向かう努力をし続けること、それを私たち教職員は心から応援しています。
あらためてみなさんの成人をお祝いします。おめでとうございます。
2021年1月8日、「成人の日」を前に
東京家政学院大学学長 廣江 彰