【附属図書館】大江文庫所蔵の巻物学内展示

千代田三番町キャンパス展示用

①御嫁娶床餝(おんかしゅとこかざり)之秘巻 江戸期
礼法を伝えたことで知られる小笠原流による婚礼の床飾りの図。松、梅、椿の花に熨斗(のし)と昆布、海老やつるし柿、いわし、くり、かまぼこ、焼鳥、巻きするめなどが飾られている。真ん中の三方は御饗膳(ごきょうぜん)(食事の膳)で、高盛の御飯、鯉の汁、いわし、くらげ、梅干しが描かれている。
②小笠原流万積様(よろずつみよう)之図 万治3年(1660)
大江文庫には、礼法や料理流派など各種流派による秘伝の巻物が所蔵されているが、なかでも小笠原流の秘伝が多い。鳥の図は、祝言の時の積み方の図。魚の図は、海魚の積み方で、相手の左に頭がくるよう置くなど海魚と川魚とでは置き方を変えていたことがうかがえる。海老のひげを相手側に置くよう、一定の規則があったようだ。

町田キャンパス展示用

③衣服積方門(つみかたもん) 江戸時代
衣服の置き方の図。手前の茶系の結納小袖は昔の置き方で今は使わないとあり、その斜め上にある白と茶系の小袖は近代(これが描かれた時代)の置き方を示している。廣蓋(ひろぶた)という衣服を入れて運ぶ盆も進物用に使われるようになり、豪華な家紋入り漆塗りなども作られた。
④(魚鳥切方秘伝) 江戸時代
室町時代に成立した庖丁師は、武家や公家などに仕えた。客の前で衣裳をつけ、大まな板の前で、魚や鳥を切る儀式を庖丁式と呼ぶ。切形や置き方は、流派、魚鳥の種類や儀礼などにより異なる。この巻物では、鯉が多く、鯛、鱈、鱒、雉の切り方があるが流派は不祥。
⑤小笠原流婚禮飾物小巻物 江戸時代
武家などの婚礼には女性はよそおいのため多くの道具類が必要だった。棚飾りの黒い漆塗りの箱は、結婚の際に歯を黒く染める道具を入れた歯黒箱、まとめた髪を結び束ねるひもや糸類を入れた元結箱、爪切り箱などがみられる。水島卜也は、小笠原流礼法を学び普及させた江戸初期の有職家(ゆうそくか)である。

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