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管理栄養士は食を通して人と向き合うプロ。専門知識と思いやりを育む

教員

人間栄養学科

金澤 良枝

本学の卒業生として管理栄養士の道へ

金澤教授は、ご自身も東京家政学院大学のご出身ですよね。

もともと家庭科の教員に憧れていたこともあり、教員免許取得をめざして東京家政学院高等学校に進学しました。大学進学に向けて勉強していくうち、本学に管理栄養士専攻があることを知りました。実際に学部生が白衣を着て食品の実験をしている様子を見たとき、面白そう!と興味が湧き、進路を変更しました。管理栄養士は国家資格で幅広い対象者に栄養食事指導ができ、「食」を中心に社会に貢献できることが魅力でした。

最初は食品・飲料メーカーへの就職を考えていたのですが、管理栄養士が活躍する分野を学ぶなかで医療現場で働きたい気持ちが強くなり、卒業後は病院に就職しました。糖尿病・糖尿病性腎症・腎臓病など、最新の医療を学び続ける姿勢を院内で学びました。栄養食事指導により患者さんの病態が改善されると、管理栄養士として働く意義を実感しました。また、医師・看護師・薬剤師といった各領域の専門家とチームを組む働き方は刺激があり、私自身も専門家として活動できることにやりがいを感じていました。

日々進化する栄養学。学び続ける大切さを伝える

11年間の病院勤務を経てから、教鞭を執られている先生ですが、講義をする上で大切にしていることを教えてください。

学生たちに“問い”を投げることが多いですね。「このような患者さんには、どのように食事の話をしますか?」「患者さんが、外食の摂取方法を聞きたいと話されたらどのように対応しますか?」など、いろいろなケースを想定して、学生たちにディスカッションしてもらいます。人間栄養学は、栄養素の摂取のみを扱うのではなく、食品が人にとり、どのような影響があるのかを、人間活動、社会生活活動、経済活動においても考える学問です。食品をどのように摂取するのかが健康に生きることとつながるということを、食品学、調理科学や臨床栄養学など多くの学問から、幅広く学びます。

また、学生には、情報の取捨選択には特に気をつけるよう教えています。インターネットやテレビ番組、雑誌などを見ていると、「これを食べれば痩せる」「この食品は体に良い」という情報をよく目にしますが、その情報は本当に正しいのか、情報元はどこなのかを考えることが大切です。食に関する知識は患者さんの生活にも大きく影響するため、最新の医療・栄養学の知識を学び続ける大切さや情報収集の方法をしっかりと教えています。

管理栄養士として「人が好き」の原点を忘れずに

人間栄養学部で学んだ学生に、人としてどのように成長してほしいですか?

臨地実習先の指導者より「東京家政学院大学の学生さんはおおらかでいいですね」と言われます。確かに、のんびりと優しい学生が多いように感じています。学生には「人を好きでいてね」と伝えています。どこに勤めても、どのような仕事をしても、栄養学は人と関わっていくことになります。私自身、管理栄養士として働くなかでは、チームで働くことや、患者さん一人ひとりと向き合うことが好きです。また、人に恵まれることも大切なので、気遣いができる優しい人になってほしいと思います。

受験生・保護者へのメッセージ

最後に、受験生と保護者へメッセージをお願いします。

まずは、食品や食事への興味を大切にしてください。食品が調理され、食事として摂取、消化吸収、代謝されて、どう人に影響があるのか。この一連に興味を持っていれば、どのような分野で仕事をしても4年間の学びは意義のあるものと思います。いろいろな授業を受け、臨地実習に行き、多くのことを考えてください。東京家政学院大学では、保健所・保健センターなどの行政、病院などの臨床、保育園・高齢者施設など福祉、学校栄養教育などそれぞれの分野で特化した専門の教員がしっかりと指導します。親御様には、大学生活のなかで変わっていくお嬢様の興味や考えの変化に向き合って、サポートしていただければと思います。

取材・執筆:ウィルソン麻菜

人間栄養学科
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