人間生活学研究科 栄養学専攻(修士課程)

栄養学専攻が扱う教育研究領域のイメージ

栄養学は、様々なライフステージ及び健康状態にある人々の栄養の営みを対象とし、ヒトに関わる領域、食品に関わる領域、さらにはそれらの関係性や実践に関わる領域をも含む総合的で複合的な学問です。

栄養学専攻は、栄養学を食品科学、健康科学、臨床栄養学、実践栄養学の各領域に体系化し、それぞれの専門的知識と技術を総合的に修得できるのが特徴です。

修了後のビジョン

  • 医療・介護に関わる高度な栄養管理を実践する専門分野の管理栄養士
  • 行政分野で取り扱う栄養問題の改善・解決にリーダーシップを発揮する行政栄養士
  • スポーツ、健康増進、学校等の現場で、対象者の目的に応じた高度な栄養管理を実践するスペシャリスト
  • 食品企業等で栄養面、安全面、経済面を踏まえた商品を研究・開発するスペシャリスト

取得できる資格

  • 栄養教諭専修免許状

過去の修士論文題目(一例)

  • 簡易型自記式食事歴法質問票 (BDHQ) で評価した肥満小児の栄養摂取状況と喫食速度の関係
  • アントシアニン含有馬鈴しょの調理・加工に関する研究
  • 大麦若葉搾汁成分のラット腸内細菌叢への影響
  • 離乳後期における手づかみ食べと調理形状に関する研究
  • 腸内細菌による尿毒素の産生に及ぼすポリフェノールの関与
  • 慢性腎不全低たんぱく食事療法と栄養療法と栄養評価に関する検討

授業科目一覧

科目区分 授業科目 担当教員
導入科目 栄養学総合特論 全教員
専門領域科目 食品科学 食品学特論 林一也
食品機能学特論
調理学特論 大富あき子
健康科学 ヘルスプロモーション特論 田中千晶
運動生態学特論 江川賢一
スポーツ栄養管理学特論 加藤理津子
臨床栄養学 病態生理学特論 山田光彦
臨床栄養学特論 金澤良枝
小児臨床栄養学特論 斉藤恵美子
科目区分 授業科目 担当教員
専門領域科目 実践栄養学 栄養教育特論 辻雅子
地域栄養教育特論 酒井治子
公衆栄養学特論
栄養管理学特論 吉野知子
共通 食品・栄養英語文献抄読演習 指導教員
研究指導科目 栄養学特別研究演習1 全教員
栄養学特別研究演習2
栄養学特別研究演習3
栄養学特別研究演習4

教員紹介

<研究指導教員>
氏名 職位 専門分野 研究テーマ
研究実績
江川 賢一 教授 健康・スポーツ科学(スポーツ生理学、ヘルスプロモーション) 「スポーツ・健康づくりのアドボカシーの生態学的研究」 ジュニアサッカー合宿、大学生アスリートを対象としたスポーツ栄養学研究や、公衆衛生学、健康教育学、スポーツ科学に基づく調査や実験を実施しています。健康な社会参加へのアクセシビリティとしての公共交通機関の社会実装を目的とした多施設共同によるアドボカシー研究に参画し、人間の運動行動と環境との関係を解明する『運動生態学研究』に取り組んでいます。
「アクションリサーチからアドボカシーへ」 (日本健康教育学会誌, 31(1), 8-13頁, 2023)/「コロナ禍における身体活動・運動を中心とした非感染性疾患対策」 (日本健康教育学会誌, 30(4), 323-327頁, 2022)/「新型コロナウイルス感染症蔓延による都道府県民健康・栄養調査への影響」(日本公衆衛生雑誌, 69(8), 586-594頁, 2022) など
斉藤 恵美子 教授 小児科学(応用栄養、臨床栄養) 「生活環境・習慣と疾患」 おもに小児における生活環境や習慣と各種疾患(特に生活習慣病やアレルギー疾患)との関連の研究に取り組んでいます。
「小児の体格と親子の食習慣の関連について」(日本小児保健学会, 2019)/「新生児血中特異的IgE抗体と乳児期の感作およびアレルギー疾患発症に関する検討」(日本小児アレルギー学会, 2017)/「小児期non-HDLCの縦断変化と成長に伴う体格変化の関連性」(日本肥満学会, 2015) など
酒井 治子 教授 地域栄養教育学(食育、食発達) 「幼児の食行動の発達過程の解明と、それに対応した食育の実施・評価」 地域でのさまざまな栄養活動の実践を通して、その栄養教育の計画・
実施・評価の具体的な展開についての課題解決の方法について研究しています。特に、ライフステージとしては、乳幼児から学童期の子ども
を対象に、その発達過程を解明しつつ、家庭や保育所での食育実践から、理論を構築する方法を探求していきましょう。
保育所等の食物誤嚥による窒息事故の起因となり得る背景~事故検証報告書の分析,保育と保健 30(2),30-32,2024/健康・栄養を支える和食と,次世代への和食文化継承,食品と容器 65(1),24-31,2024/大規模災害時における学生ボランティアの育成と、ネットワ ーク化に関する研究,第4章 第2節 大学生による災害時の栄養・食支援のための動画コンテンツの作成とその学習効果,令和6度 「千代田学」に関する区内大学等の事業提案制度 事業実施報告書,2025 など
田中 千晶 教授 応用健康科学、発育発達学 「健康に資する身体活動促進と体力向上のための生活習慣・環境改善」 子どもから高齢者までの幅広い年齢層における健康の保持増進のため、生
活習慣および環境の改善に資する研究や、アーティスティックスイミング元日本代表の経験を活かしたスポーツ参加促進について研究しています。また、経済状況の異なる複数の国が参画する国際共同研究に取り組んでいます。
Results from the Japan 2022 Report Card on Physical Activity for Children and Youth. J Exercise Science & Fitness.17,20-25(2022)/「基礎から学ぶ発育発達のための身体活動~元気な子どもを育む確かな根拠~」(杏林書院, 2019) など
林 一也 教授 農芸化学
(応用微生物学、食品科学、食品加工学、食品衛生学)
「食品の成分に関する研究」 食品にはさまざまな成分が含まれます。その中でもアントシアニンを代表とする色素成分の探求や食品加工によ
る変化、それらの生理機能性などを研究しています。さらに、微生物や酵素に関する研究、食酢などの伝統食品に関する研究にも取り組んでいます。
Anthocyanins from skins and fleshes of potato varieties,Food Science and Technology Research,Vol.1,No2.,pp.115~122,2010/「アントシアニンと食品」(建帛社, 2015)/「ワインビネガーの明治時代から昭和におけるまでの活用の発展と展開」(日本調理科学会2019年度大会, 2019) など
山田 光彦 教授 病態生理学、神経科学 「誰かの毎日をもっと幸福にする栄養学研究」人生のさまざまなステージにおいて、毎日の食事は、私たちの身体を形成し、エネルギーを補う
とともに、その機能を整えてくれます。ココロの調子さえ食事によって大きな影響を受けます。病態生理学研究室では、どのような方が、何を、
いつ、どのように食べるのが大切なのかについて明らかにするべく、Precision Nutrition の立場から研究を進めています。
「Participation of the nucleus accumbens dopaminergic system in the antidepressant-like actions of a diet rich in omega-3 polyunsaturated fatty acids: PloS one 15, e0230647」(2020) など  
會退 友美 准教授 食環境・食教育学 「乳幼児期における食環境に関する研究」人の食行動は、食環境や認知が相互的に関係しあってできあがります。つまり、食環境づくりや教育を行うことで、様々な集団にある人々や個人の食生活が形成されます。そこで、どのような要因が食習慣を形成するのか、質問紙調査やイン
タビュー調査を行い、主に乳幼児期を対象に研究を行っています。
食を通した子育て支援に関する研究~地域資源との連携に注目して~:保育科学研究、第14巻、128-159、2025.栄養学専攻の大学生における子どもの頃の食経験に関する質的検討2:中学生の頃の食経験:第34回日本健康教育学会学術総会 など
大富 あき子 准教授 食生活学(調理、食育、食文化) 「低利用・未利用の深海性魚介類の食材開発と食教育への導入」  世界的に魚介類の消費量が増加している中で、逆に水産大国の日本では減少
し肉類に嗜好が傾いています。また食教育の現場では地産地消が見直されていますが魚介類の認知度は低く、食教材としての関心や問題意識
は農畜産物と比較し低いといえます。そこで漁獲されても海上投棄されてしまう未利用魚の食材および食教育への活用を検討しています。
「地域連携を通した管理栄養士養成教育の実践活動―低利用魚を活用した一汁三菜の御膳販売から得られたこと―」(東京家政学院大学紀要60、2020)/「山川漬け」([別冊うかたま]伝え継ぐ日本の家庭料理<一般社団法人農山漁村文化協会>第14巻「漬物・佃煮・なめ味噌」、14-15、 2019)/「深海性低・未利用魚介類を題材とした小学生対象の食育媒体の評価」(日本調理科学会大会、 2023) など
辻 雅子 准教授 食生活学
(健康と食生活、食教育、生活習慣病予防、食情報)
「人の食行動変容に対し栄養教育的手法が及ぼす効果について」 栄養教育の実践には栄養学・食品学・ 教育学・心理学・社会学・食文化など、さ
まざまな幅広い学問分野から総合的に研究を行うことが必要です。人の食行動変容を促す手法についての基礎的研究や、栄養教育実施者にと って必要な栄養教育教材についての研究にも取り組んでいます。
栄養教育論第2版(光生館, 2020.03)/女子大生のダイエットサプリメントの使用状況と副作用について(第45回日本臨床栄養協会総会,2024)/健康的で持続可能な食事パタンについて~食品群における検討~(第71回日本栄養改善学会学術総会,2024)/女子大学生に対するシリアルを用いた食育の検討-テキストマイニングを活用した意識調査-(東京家政学院大学紀要, 第61号, 2021) など
坂野 史明 准教授 栄養生化学、血栓止血学 「血栓症に有効な食品由来成分の探索」様々な動物モデルを駆使することで、血栓性疾患(深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞
など)の予防・治療に応用可能な食品由来成分の解明を目指した研究を進めています。
研究業績:血栓抑制因子の遺伝子改変マウス, 疾患モデルの作製と利用­循環器疾患2021, 484-493(エル・アイ・シー, 2021)/Exacerbated venous thromboembolism in mice carrying protein S K196E mutation. Blood, 126(19), 2247-2253(2015) など
<研究指導補助教員>
氏名 職位 専門分野 研究テーマ
研究実績
加藤 理津子 准教授 実践応用栄養学
(応用栄養学、スポーツ栄養)
「スポーツ実施者および健常人を対象にした栄養管理に関する研究」 スポーツに取り組んでいる人は、競技力向上や健康づくりを目的とした
栄養・食事の内容や摂取方法に関心が高い傾向にあります。そこで、スポーツ実施者や健常者を対象に、身体および栄養・食事摂取状況の実態と、
栄養・食事に関する情報のニーズを調査しています。その結果から効果的な栄養教育の内容、方法、媒体の開発について研究に取り組んでいます。
「運動部女子中高生における生活習慣状況調査」第9回日本食育学会学術大会2021/「運動と発育」(臨床スポーツ医学37巻5号, 2020)/「改訂応用栄養学実習書-PDCAサイクルによる栄養ケア-」(建帛社, 2024)/スタンダード人間栄養学 応用栄養学 第4版(朝倉書店 2024) など
城田 直子 准教授 臨床栄養学、官能評価 「嗅覚・味覚・視覚と美味しさに関する研究」近年、高齢者だけでなく若年者の嗅覚・味覚異常が増加しているといわれています。以前は、血
液透析患者を対象とした嗅覚・味覚の研究を行っていましたが、現在は、若年者を対象とした嗅覚・味覚・視覚と美味しさの関係、嗅覚・味覚と自己意識などについて研究しています。
「透析患者の感覚器障害 4 嗅覚障害(3)嗅覚と味覚の関連性」(臨牀透析 Vol.36 No.1、2020)/「CKDの最新食事療法のなぜ?に答える-実践編Ver.2」(臨牀栄養別冊、2022)/「CKDの最新食事療法のなぜ?に答える-透析編」(臨牀栄養別冊、2022)/「コロナ禍における女子大学生の栄養摂取状況と生活状況の関連」(東京家政大学研究紀要、2023) など
吉野 知子 准教授 給食経営管理
(高齢者栄養管理、在宅チーム医療)
「高齢者の栄養ケア・マネジメントと栄養評価」 高齢者の低栄養はさまざまな身体・精神機能の低下と関連しており、栄養ケア・マネジメント
によって低栄養改善を図る際には単にエネルギー・栄養素の補給を目的とするのではなく、食べることに関連する種々の徴候・症状を的確に
把握し、安定した食事摂取状況を確保するために食環境を含め適切に問題解決に努めることが、QOLの向上や予後の改善につながります。
「実践 給食マネジメント論 第4版」(第一出版株式会社 2023)/ 「在宅高齢者食事ケアガイド」(第一出版株式会社, 2014)/「介護保険施設入所者に対する栄養・口腔関連の介護報酬算定の取り組み」(日本給食経営管理学会, 2014) など